「人的資源管理」としてのメンタルヘルス対策
数年前までは メンタルヘルスというと病気の発症者に対する「対処療法」という後ろ向き的な意味合いがありました。しかし、現在 日本また世界的に行なっているメンタルヘルス対策はそうではありません。
「人的資源型」メンタルヘルス対策とは
人的資源型のメンタルヘルス対策の第一の目標は「メンタルヘル不調の予防」です。これを「一次予防」(または一次ケア)と言います。
企業で実施するメンタルヘルス対策には、管理者の安全配慮に対する知識教育(ラインケア)・全従業員のストレス管理能力の教育(セルフケア)、そして職場で協力して行う職場改善があります。
多くの職業・組織心理学のストレス研究によって明らかにされているのは、職場で発生するストレス要因には、個人の努力だけでは解決しようのない問題を多々含んでいることです。これら外部によるストレス要因に対し、職場が把握し、管理し、職場の問題によってメンタル不調を出さないことが企業に課せられた安全配慮義務なのです。これら 職場のストレスメカニズムを知らないことによるストレス不調の発症もまた、企業そして管理者の義務不履行とみなされます。また知識がないために、従来の精神論を信じて「頑張りが足りないからだ」と圧力をかけた結果、部下を不調に追いやったり、同僚の異変に気がつかないなど、無教育であることも安全配慮義務の欠如とみなされ対象となります。
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