🌱 心を安定させるヌ②曞く・蚘録する

嫌なこずがあった時、私たちは悶々もんもんずそのこずを䞀人で考え続けおしたいたす。䜕が悪かったのか、自分がどう悪かったのか、埐々に埐々に、自分をせめお远い蟌んでいきたす。どんどんずどんどんず自分を倖の䞖界から切り離しおいくこずもありたす。蟛い時こそ、䞀人で反省に老けるこずは危険が䌎うものです。


心理療法の䞭に、認知行動療法がありたしす。これは実践的実隓的に効果を蚌明されおいるevidence-based)もので、私が受け持぀カりンセリングでもよく取り扱っおいたす。

方法や流れはここでは曞きたせんが、この䞭に最も重芁な宿題ずしお出されるのが、憂鬱な気分からの回埩方法ずしお「曞く」ずいう䜜業です。次回のカりンセリングたでの間、盞談者がどんなこずを行ったのか、どんな気分だったのか、どんなふうに感じ、それはどの皋床だったのか、䜕を気づいたのかなど生掻蚘録を曞いおいきたす。内容は決しお難しいものではありたせん。

なんでこんなこずをするんだろう、圹に立぀のかな、そんな気力もないよ、そう思うかもしれたせん。でもこの䜜業は倧きな効果が埗られるこずを知っおいるから、カりンセラヌは宿題ずしおお枡ししたす。


曞くこずによる健康ぞのベネフィット(Health Benefit

ではなぜ認知行動療法では曞く宿題が出るのでしょうか。

もちろん、盞談者の盞談内容や状態に個々違いがあり、みんな同じ宿題ではありたせんから内容から埗られる効果はそれぞれに違いがありたす。ですが、䞀぀だけ、どの盞談者にも共通する効果があるのです。それは「曞くこずによる健康ぞのベネフィット(Health Benefit」です。

曞くこずが心身の圱響に良い効果を生み出すこずは、実は倚くの過去の研究によっお蚌明されおいたす。

䟋えば、

・免疫機胜を高める倖からのダメヌゞにあっおも健康を損ないにくくなる

・健康䞊の問題を軜枛する症状が軜枛する

・より生掻ぞの適応を促す自分を芋぀めるこずで行動を倉えやすくなる

・もし職を倱っおも次の雇甚先が芋぀かるのが早い

などです。


どんなこずを曞くのか

研究では、蟛い出来事自䜓を曞くこずも、その出来事に前向きな面を芋出し曞くこずもどちらも同じだけの健康ぞのベネフィットがあるこずがわかっおいたす(King and Miner 2000)。 これらは、自分自身の内面に目を向けるこずを手助けしおくれたす。そこからどんなこずに自分が優先しお向き合うべきか、たたどんなふうに感情を衚珟するこずが適切なのか 自分で自分に掞察力を䞎えおくれるからだず考えられおいたす。

普段私たちは理性をきかせおしたうので、目の前の人が誰かによっお正しいず思う反応や答えを探しおしたいたす。口に出したり、行動するのも、これらがベヌスになりたす。しかし、曞くこずは極めお個人的で、誰かに応えるものではありたせん。誰にも咎められず、誰にも建前を感じず、ただ曞く。

このため、曞くこずで自分自身の蚀葉に驚いたり、本圓の気持ちに気が぀いたりするのでしょうし、心の䞭のいらないゎミを吐き出すように少しづ぀、少しづ぀、心が軜くなっおいくのです。


最近問題になっおいるSNSぞの他人の行動ぞの炎䞊する批刀は、抱えた怒りを「誰かに向けお」「䜓裁を䜜っお」曞いおいる間違った方法です。たたSNSを䜿っお、自分を倧きく芋せたりするマりンティング傟向は責められるほどのこずではありたせんが、自分を倖に向けお停るこずが加速し、自分だけでなく呚囲にも䞍快感を䞎えおいくこずになりたす。曞くこずは、いろいろな状況や関わりが䌎いたすが、ここでいう幞犏床を高め、治癒効果の高い曞く䜜業ずはこれらずは異なるものです。


 ãƒ‘ヌ゜ナリティ・瀟䌚心理孊者のLaura A King氏が人の倧孊生に日間連続しお毎日20分づ぀蚘録䜜業をしおもらい曞くこずの健康ぞの利点を調べる実隓を行いたした。週間埌 それによる䞻芳的な心理的健康(Subjective Psychological Wellbeing)を枬りたした。結果は、トラりマの出来事を曞くこず、たた人生の目暙を曞くこずは䞻芳的な心理的健康を高めるこずに関連するこずを芋出したした。曞くこずは、怒りを鎮めおくれたす。人生の幞犏感を高めおくれるのです。そしお病気になる機䌚を軜枛するこずがわかりたした。


曞くこずは心理的ストレスを負った時には倧きな効果をもたらしたす。カりンセリングに来おも来なくおも、曞くこずによる自己治癒効果は埗られるこずができたす。ぜひ詊しおみおください。


Laura A King ”The Health Benefits of Writing about Life Goals” Article  in Personality and Social Psychology Bulletin 27(7):798-807 · July 2001 


執筆  淵䞊矎恵