🌀「自分は大丈夫」、と思ってしまう心理 ー なぜ?


今年に入り、新型コロナウイルスの急速な拡大に世界中が大きな衝撃と不安を受けています。 ãã‚“な中でも、感染のリスクが極めて高い地域への旅行にあえて出たり、今は空いているだろうと見越して出かけて行き混雑に巻き込まれるなどして、結果としてウィルス感染率を高めるいわゆる危険行動をとるケースがニュースでも多く取り上げられています。 まだ感染の問題が初期の遠い国の話だった時に、既に危機感を感じて被災に備え、行動予定を最小限にと止めた人もいれば、「自分は大丈夫だろう」「自分はあまり関係ない」とこれまでと変わらず行動し、全く対岸の火事の如く危機感を感じない人もいます。 ãªãœå±æ©Ÿã‚’間近に感じる人もいれば、「自分は大丈夫」と思う人もいるのでしょうか。 


大したことないと考える正常性バイアス

この心の状態を心理学や医療分野では「正常性バイアス」と呼んでいます。 もともとこの正常性バイアスは、私たちが日々心に受ける都合の悪い情報や恐怖感・衝動を過小評価することで自分を守ろうとするための心の大切な働きです。鈍感になることで、一つ一つの不安感や恐怖感から距離をとり、鈍感になることで冷静に振る舞うことができるからです。しかしながら時に、逆の効果を引き起こすこともあります。例えば、日本では度重なる小さな地震に対しても気持ちに免疫ができてしまい、日常的に避難に備える気持ちが希薄になってしまったりします。また、横断歩道のない場所をつい渡ってしまう行動も、人気のない公園を夜間歩くことも、何も大事がない経験が日々習慣化してしまうことで徐々に危機感は薄れて行きます。ことあるごとに不安を引き起こす情報に過剰に反応していては、私たちは心の平穏を保つことができません。常に不安感を抱えることになり、その不安感は増幅はしても軽減することはないため、心がどんどんと疲弊してしまうのです。 極端に言うと、正常性バイアスは私たちを鈍感にすることで心の安定を守ってくれています。 

しかしながら、この作用に慣れ過ぎてしまうと、本当に致命的な災害に直面した際に冷静な判断機能が働かなくなると言う危険性を持っています。本来なら非難すべき状態であったり、行動を抑制すべき危機的な状況であっても、その危険信号が脳に届かず「自分には関係ない」「自分は大丈夫だろう」と言う心理に至るのです。 その結果、事態が要求する行動とは真逆の行動を引き起こすことになります。


どう正常性バイアスを抑制するか

では私たちは、どうしたら正常性バイアスが過剰に機能するのを防ぐことができるのでしょうか。

 ã¾ãšã€é–“違ったタイミングで正常性バイアスが過剰に働くと言う「人の心の機能の弱さ」を認識することです。人の心は自分が思うより万全には機能しないと言う心理的脆弱性(もろさ)を理解し、受け入れることが大切です。普段はどんなに冷静で効率的に振る舞う人でも、時には今の自分の判断に自分自身が過信し過ぎてはいないかと立ち止まって考える機会があると良いのでしょう。人の行動や心理を見て違いを理解することも良い訓練になります。

 ã¾ãŸã€æ—¥ã€…災害に備えた意識作りをすることを平常での訓練として行うことです。非難行動も実は日々訓練することで活かされるものです。普段全く経験せず、知識や想像だけでその時になって緊急時に迅速に対応できることはありません。機械ができて人間ができない欠点です。


「I'm all right(私は大丈夫)」から「Everybody /Everything will be all right(誰もが、全てが良くなるよ)」へ

 ä»Šã¯ã€ä¸–界中で多くの人々が危機的不安を感じている事態です。周囲を見てみると、外出や行動を制限され孤独に陥っている人もいます。身体的リスクから大きな不安感を抱えている人もいます。遠く離れた家族や友人を心配し不安に狩られている人もいます。こんな時だからこそ、明るく楽しむこともとても私たちには大切ですが、その様子が好意的に受け取られるには難しい地域もまだまだあることも事実です。場所により地域的にはそれほど危険がないということもあると思われますが、社会ネットワークが発達した今、どんな遠くにいる人々の行動もオンタイムで拡散され周知されて行きます。 そこに大きな心の隔たりを感じる人もいるかもしれません。

こんな時だからこそ、少しだけ正常性バイアスを解いて、遠くにいる家族や友人に近況を伺ったり、不安を聞いたり、笑いを交えて「きっと大丈夫、共に頑張ろう」と支え合うことにSNSを活用してみるのも良いのかもしれません。